SSブログ

「結婚」をめぐる10年の物語 2002年~2004年 (2/3) [ゴールデンブログアワード]

■2002年 25~26歳
2月9日
大学の友達の結婚式。奈良にて。初めて、美容院で髪をセットしてから行った。自分も精一杯綺麗にしていく方が、花嫁にも喜んでもらえる気がする。友達は終始いつも通りの明るい笑顔だったのに、ご両親への手紙を読み始めた瞬間に泣きじゃくっていた。ずっと我慢してたんだね。内容はほとんど聞き取れなかったけど、すごく感動した。
彼女とだんなさんは高校時代から、約8年間の付き合いで結婚。これからもさらにずっと長い時間を一緒に過ごしていくんだね。そういう相手に早くからめぐり逢って、その相手をちゃんと見極められるってすごい。私は迷ってばかりなのに。

11月24日
大学の友達の結婚式。神戸にて。花嫁のたっての希望で、京都から振袖を着てゆく。疲れたけど、彼女も、彼女の親御さんも喜んでくれた。彼女はお嬢様なので披露宴はすごく豪華だった。その中で凛としていた彼女は、本当にお姫様みたいだった。
友達のスピーチがすごく心に残った。結婚している友達は、「相手がしてくれないことより、してもらってよかったことを考えるとよい」ということを、伝道師の友達は、「愛は聴くこと。耳と目を向けて心で聴き合うことが大事」ということを話してくれた。心にしみた。
仲良しの友達が次々と結婚していく。自分の人生の方向を決めていく。なのに、自分はどうなるか、まだわからない。少しあせる。

12月23日
兄の結婚式。地元、福岡にて。仕事が忙しくて、徹夜明けに朝一番の新幹線で移動。着物の着付けをしてもらいながらうたた寝するほど疲れていた。兄嫁は私よりも3歳年下。「お姉さん」が欲しかったので少々複雑。でも、兄が選んだ人だし、それに向こうの方が年上の妹って怖いだろうし。披露宴の最中に、突然マイクを向けられてスピーチ。話し終わると、なぜか母が泣いていた。両親が挨拶まわりに忙しそうだった。結婚する側の親って大変そうだ。
小さい頃からやさしかったお兄ちゃん。これからは奥さんにやさしくしてあげて、幸せな家庭を築いてね。

■2003年 26~27歳
5月
付き合っているひとにふられた。仕事に対する考え方、友達との付き合い方、色々な要素を見て、これから一緒にやっていけないと判断するに至ったらしい。すごく好きなひとから、もう自分の人生に必要ないって思われるって、すごくつらくて悲しいこと。
27歳で結婚したいとなんとなく思っていたのに、計画通りにはいかないってことがよくわかった。もう恋をしたくないとは思わないけど、今は自分に自信が持てない。立ち直るのにはすごく時間がかかりそう。

11月15日
大学の友達の結婚式。地元福岡にて。信じられないくらいに美しく清楚な花嫁だった。すごくスタイルがいいのに、露出がほとんどないドレスを選んでいるところが彼女らしくて感心した。だんなさんは誠実そうなひと。友達のことをすごく大事にしてくれそうで、安心した。友達がスピーチで大学時代のエピソードを披露。懐かしくて、笑ってしまったけど感動した。もう別々の道を歩いていて、あんな風に一緒に遊ぶことはないんだな、と少し淋しくなった。
二次会のビンゴでなんと一等のDVDレコーダーが当たった。うれしいけど、持って帰るのが大変。ビンゴ運だけはいいのが切ない今日この頃。地元でいいひとが見つかれば、とこの結婚式に淡い期待を抱いていたけど、そううまくはいかないものだ。

12月6日
会社の先輩の結婚式。大阪にて。初めて美容院でメイクをしてもらって、ちょっと気分がよかった。社内恋愛で結ばれたおふたりは、とても幸せそうで、微笑ましかった。これからもかわいがってください、という気持ちを込めて、同僚の女の子3人で歌を披露。
先輩は37歳で、もう結婚をあきらめていたこともあったそうだ。自分もできたから、あなたも頑張ってねと言ってくれた。嬉しいような、37歳まで独身でいるのは淋しいような、複雑な気分。

■2004年 27~28歳
2月11日
会社の友達の結婚式。京都にて。同期の中では二人目。一人目は、昨年秋に家族だけの結婚式を挙げていた。結婚式をするかしないか、どこにお金をかけるかにはひとの価値観がはっきりと出るようだ。今日結婚した友達は、相手も会社の先輩で、知っている人なので余計に嬉しかった。彼女はすごく綺麗で、普段からは考えられないほどにこにこと愛想をふりまいていた。過去のつらかったできごとを知っているから、本当に幸せになってくれてよかった。今までたくさんの結婚披露宴で余興をしてきたけど、初めて一人でピアノ伴奏で歌った。花嫁も、出席したほかの友達も喜んでくれた。
これくらいの年齢になると、結婚している友達に「早く幸せになってね」とよく言われる。結婚してるってそんなに偉いの?結婚してないとそんなに不幸そうに見える?と反発したくなることも、正直、ある。相手に悪気がないのも、本当に幸せを願ってくれてるのもよくわかってるけど。自分があせっていて、それを認めたくないからかもしれない。だからといって、友達の幸せを心から祝えないほどすさんでいるわけではないから、まだ大丈夫。友達が綺麗で幸せそうだと、素直に嬉しいから。

3月13日
大学の友達の結婚式。神戸にて。人前式という新しいスタイルで、花婿がみんなの前で花嫁にプロポーズ。それから二人でオリジナルの誓約書を読み上げてサイン。なかなか楽しめた。かわいくて、泣き虫だけど実はしっかりしていて、芯の強い友達。だんなさんも頼りがいのありそうなひとだった。ここではスピーチを頼まれ、学生時代のエピソードを披露。
結婚した夫婦をたくさん見ていると、みんなそれぞれ自分に合ったタイプの人をきちんと見つけているんだなと感心する。私にも合うひとがちゃんといるんだろうか、不安。

5月1日
高校の友達の結婚式。地元、福岡にて。長い間同棲していた相手との結婚だった。明るくあっけらかんとした彼女らしい、小ぢんまりとしたあったかい式とパーティ。途中でだんなさんが倒れるというハプニングがあったけど、彼女の持ち前の明るさと周囲のあたたかい支援で乗り切っていた。普通の花嫁ならパニックになるか、ヒステリーを起こすかもしれない。そこが彼女のおおらかさというか、強さ。相手に求めるものは、ひとによって違うんだなあと改めて感じた。

5月15日
大学の友達の結婚式。京都にて。上品な和風美人の彼女らしく、披露宴も和風だった。かなり年上の彼は落ち着いていて、やさしそう。彼女も昔つらいことが色々とあったのを知っているから、幸せになって本当によかった。
ここでもひそかに出会いを期待していたけど、そううまくはいかず。まだ、そんなに積極的になれないのかも。

6月
少しいいなと思えるひとに出会う。いきなり結婚を考えたら逆に男のひとと付き合うのが難しくなるので、軽い気持ちで付き合ってみることにした。この歳で、今更そんなことでいいのか、多少不安だけど。ストライクゾーンを広げてみることにした。相手が自分を好きということははっきりしているので、すごく楽。激しさはないけど、いい関係になれている。

12月4日
会社の友達の結婚式。大阪にて。港沿いにある白くて素敵な建物での、ハウスウエディングだった。友達は綺麗で、幸せそうだった。だんなさんは若いけど、しっかりしていて感心した。手づくり婚らしく、細部の演出まで手が込んでいた。準備が大変だったみたいだけど、ゲストのことを考えていてすごくアットホームで、楽しめた。結婚式って手をかけようと思えばいくらでも凝ったことができるということがよくわかった。自分だったら、ここまではできないだろうけど、来てくれたひとが本当に楽しめる結婚式にしたい。

こいのうた―songs of love

こいのうた―songs of love

  • 作者: たかぐち ふみき
  • 出版社/メーカー: 新風舎
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:GBA2005エッセイ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1